『どうしたら良いのかわからないけど、立体的なデザインのアプローチにしたいんです』そんなご要望から始まったＩ様のお打合せ。3階建ての立派な建物にあうように、そしてシンプルモダンでありながら湘南テイストを取り入れたエクステリアになるように全体を計画しました。
エントランスのメインとなる門柱壁はRC杉板仕上調のタイルで仕上げました。今回のファサードで高さのある造作物はこの門柱のみとなっております。そしてこのホワイトを基調とした建物に対して、余り強く出過ぎず、出なさすぎずのバランスを見て考えると、臼井グレーの色調がベストと判断し、こちらの提案をしております。適度に存在感があるものの調和の取れる門柱壁となっております。ちなみにこのタイルは本物のRC杉板仕上よりも高耐久でお求めやすい価格になっています。そしてメインの階段は通常の上下に移動するためだけの階段というより、全体のアプローチを動きのあるものに仕上げるためのものとして存在しております。とはいえ、見た目だけでなく歩いてみると歩幅にもフィットした階段となりました。階段は1段ごとに張り出し加工をしており、美しい陰影を纏ったフォルムとなっております。ここで階段のステップにライトを入れる事もありますが、今回の計画だと少々やりすぎになってしまうので、引き算的に少し抑えたバランスで構成しております。
また門柱前のスペースのみ差し色として湘南らしいブルーのモザイクタイルを埋め込んで仕上げました。こちらは一つ一つ手作業で職人さんが割って、目地を入れて仕上げております。非常に美しい仕上がりとなりました。

庭全体としては開放的な雰囲気を出したい、とご要望いただいていたので極力フェンスや塀は作らず、土留めと植栽でカバーしております。またエントランス部分は階段の滑らかな動きを表現するため側面は法面＋芝生でナチュラルに仕上ました。
全体的にシンプルながら色数を抑えた上品なエクステリアになったと思います。